おにぎりにっき

多趣味女の自由な日記です!

英国紳士

 

大学のころ夏休みの間だけ

イギリス、オックスフォードへ

語学留学に行った

 

本当に短期だったので

大学などではなく地域の

語学学校に通っていた

 

オックスフォードだけでも

語学学校は本当にたくさんあって

なかなか決めるのが難しかったが

なるべく少人数で、日本人が少ない環境で

という理由で選んだ学校は

先生も生徒も授業内容も

とっても良い学校だった

 

学校のイベントで毎週水曜だったかに

パブナイトという自由参加のイベントがあった

学校が指定した時間、パブに

集まりお酒を飲みながら交流するイベントで

私はそのイベントが大好きで滞在中

ほぼ毎回参加していた

 

クラスが違う学生とも仲良くなれるだけでなく

気まぐれで先生も参加しており

校長もよく参加していた

 

留学の手配で使用したエージェントに

校長はthe英国紳士だときかされていて

物心ついてからレイトン教授とガチで結婚したいとまで思っていた

私にとっては楽しみの一つだった

レイトン教授とはDSなどで発売されている

英国を舞台にした謎解きゲームの主人公の英国紳士である。

 

実際会った校長はシルクハットこそかぶっていなかったものの

いつも穏やかで余裕がありスマート

上品な雰囲気をまとっていて

レイトン教授とはいい友達になれそうな人だった

 

そんな英国紳士校長と

一緒のテーブルで飲むことになったことがあった

 

その日は屋外にテーブルがあるパブ

大盛況で片付けもあまり追いついていないようで

私が座ろうとした席の前には

前の客がこぼしたであろう

食べ物が落ちて汚れていた

 

布巾などもなかったので

片付けようとすると席につこうとした

校長がスマートにポケットから

ティッシュを取り出し

さっと机の汚れを取り

さあどうぞと笑顔でエスコート

 

さすが英国紳士

レディに手間をかけさせない

スマートな手際のよさだった

 

 

 

 

しかし私は見逃さなかった

いや見逃せなかった

 

英国紳士のポケットから出てきたのは

既に使用済みと思われるくしゃくしゃのティッシュ

 

さらにテーブルを拭いたティッシュ

再び英国紳士のポケットにしまわれていったのであった...

 

 

本物の英国紳士の英国人らしさ(?)に面くらいはしたが

今でも忘れられない思い出となった

 

ここで少しフォローするとすれば

イギリスのティッシュは日本のように薄く滑らかでなく

丈夫で一回使っても破れないような強靭さだった

もしかしたら少し何かを拭いて

そのままポケットに入っていたのかもしれない

または外袋を捨ててしまったのかもしれない

 

とはいえ本物の英国紳士は

なかなかのワイルドさを兼ね備えていた

 

しかし誰が言うでもなく自分からスマートに気遣う、

イメージを裏切らない振る舞いに驚いた

 

レイトン教授の言葉を借りるならば彼はこう言うだろう

「当然さ、英国紳士としてはね